Wug Test って聞いたことありますか?
私が英語育児の中で出会った "Wug Test" というキーワード。
今回はこの "Wug Test" についてご紹介していきたいと思います。
- Wug Testって?
- 下線の空所に適切な単語を入れてみよう
- wugs を入れたのでは?
- 無意識にルールに当てはめる
- Wugという単語は存在しない
- 子どもの母語習得方法はただ覚え真似るだけじゃない
- バイリンガル育児での言語習得過程も同じ
Wug Testって?
アメリカの心理言語学者 Jean Berko Gleason(ジーン バーコ グリーソン)が母語習得についての研究の中で発案した"Wug Test" を先ずはご覧下さい。
By Jean Berko Gleason - Berko, Jean (1958). "The Child's Learning of English Morphology", Link
下線の空所に適切な単語を入れてみよう
あなたは空所に何を入れますか?
This is a wug.
Now there is another one.
There are two of them.
There are two .
wugs を入れたのでは?
空所に入れた単語は "wugs" ではありませんか?
更に、その発音は「ワグス」ではなく「ワグズ」ではありませんか?
複数形にすると、発音もそうなるでしょ!?
うんうん、当然そうなるよね。
無意識にルールに当てはめる
実は、英語のネイティブスピーカーだけでなく、私たちのように学校で英語を第二言語として学んだ程度の人であっても、
単語を複数形にする時に
その単語の後に、/s/, /z/, /ɨz/ の音が続く
そして "g" で終わる単語の後に続くのは /z/ の音で
スペルは "z" ではなく "s" である
と、いつの間にか知っているのです。
そして、無意識にこのルールに当てはめているのです。
Wugという単語は存在しない
"Wug" という単語は存在しません。
先に述べた心理言語学者のJean Berko Gleasonさんが母語習得の実証実験のために発案したテストのために空想上の生き物につけた存在しない単語です。
しかし、存在しない単語であっても人は無意識にルールに従って言葉を作り出すのだそうです。
子どもの母語習得方法はただ覚え真似るだけじゃない
Jean Berko Gleasonさんによると
”母語習得において、子供は大人の言葉をただ覚え真似るだけではなく
言葉の中にあるルールやパターンを自然に身につけ、
それに従って、無意識に言語や文法を習得していく”のだそうです。
また、これは全ての言語の母語習得に共通するものだとおっしゃっています。
バイリンガル育児での言語習得過程も同じ
日英バイリンガル育児の場合も、この母語習得方法が二言語で同時に行われます。
日本語と同じように英語もたくさんインプット・アウトプットすることにより、言語や文法を自然と身につけていきます。
文字も同じように、たとえフォニックスを教えなかったとしても、たくさんの文字と音を目にし耳にすることで、自然と文字と音を結びつけ、文字のつづりや読みのルールも身につけていくのです。
「自然と」「簡単に」
子供の頃から始める理由がここにあるのです。